3年ぶりのネパール

11月のことを書く前に、次の旅が始まってしまう。

言葉がうまく出てこないのでせめて写真だけでも。

2015425日に起きたネパール地震から3年ぶりのカトマンズ。

古いブログにその頃たくさん書いたので、細かいことは端折ります。

311の時も東京にいて、死ぬほど怖い思いをしたけれど、ネパールはそれ以上でした。

耐震という感覚のない国の、コンクリート造りのスーパーマーケットの4階にいて、
1分半という時間が永遠のように感じて、ただただ「お願いだから崩れないで。」という願いと「私はネパールで死ぬんだろうか。」という気持ち、周りから聞こえる絶叫とお祈りの声。

地震がおさまって、震える足でなんとか外に駆け出して、泊まっていた友人の家に走って戻る途中のその風景は、まるで戦後の映画の中のようだった。

土煙が舞い上がって全部グレーの世界、あちこちで人々が泣き叫び、バイクが倒れ、犬が腰を抜かして、子供達が母親を探している。

走っているのに足がもつれて前に進まない、まるで悪い夢の中にいるようだった。

それから約3か月ネパールにとどまって、キャンプをしてボランティアをして、工場が再開してから最低限の物を作った。

あの頃見た景色を、3年経って、新しい生活の中にいる自分が眺めていること、それがとてもありがたかった。

地震の後は修復作業中で全体像が見れず、グレーの空の中で魔界のようだった大好きなボーダナートも
今回は真っ青な空をバックに、いつもの端正な顔を見せてくれた。

人は必ず前に進むし、必ず忘れていく。

忘れることができるからまた新しい記憶に塗り替えて生きていける。














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