お風呂に文化を持ち込むこと。
「人はお風呂が入るのがリラックスと言いますが、私はお風呂の空間が好きになれません。どうやったらお風呂が好きになるでしょうか?」
ながら聞きだったので、質問はよく聞こえなかったけどこんな感じ。
美輪さんの答えは短いながらお見事だった。
「日本のお風呂っていうのはね、プラスチックだらけじゃないですか。壁もそうですし、プラスチック。湯船もそうだし。ロマンもヘチマもない。便所とおんなじっていう感じですね」
「だから自分の好きな空間に作り変えるのよ、絵を飾ったり、おもちゃを置いたり、あとは音楽ね。クラシックでもジャズでも民謡でも。」
「お風呂に文化を持ち込むこと、それが生活なの。」
それだ。自分も常日頃思っていたけど、うまく言葉にできなかったこと。
で、改めて「文化」ってなんだろう?と調べてみた。
定義が広すぎてさまざまな解釈が出てくるのだけど、この文脈に当てはまりそうなものはこれかも。
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文化(読み)ブンカ(英語表記)culture
※デジタル大辞泉より
・自然に対して、学問・芸術・道徳・宗教など、人間の精神の働きによってつくり出され、人間生活を高めてゆく上の新しい価値を生み出してゆくもの。
・〈世の中が開けて生活水準が高まっている状態〉や〈人類の理想を実現していく精神の活動〉
文化は個人ではなく集団の中で生まれる生活様式、すなわち生活そのものなんだ、美輪さんすごい。
さらにWikipediaでは
文化には、いくつかの定義が存在するが、総じていうと人間が社会の構成員として獲得する多数の振る舞い全体のことである。
社会組織ごとに固有の文化があるとされ、組織の成員になるということは、その文化を身につけるということでもある。
とある。
つまり自分がよく見ているもの、触れているものが自分の文化になってしまうということか。
この前洗濯機が壊れて買い替え、ついでに収納も見直そうと思い「洗濯機収納」を調べたら、あまりにすべてが「突っ張り棒とプラケース」で驚いた。
「突っ張り棒とプラケース」を見た人がそのまま実践して「突っ張り棒とプラケース」を投稿して、それを見た人が…こうやって増幅していく、これもまた文化か。
それだったら山とか森とか海とか見ている方が、気持ち良いの基準が自然に近くなり、内面が豊かになって選ぶものにも反映されていきそう。
アートと文化はまた違うから、貴重さやかっこよさではなく、暮らしを少しでも高めてくれる、豊かにしてくれる、そういう状態を目指していけば良いのだな。
結局、収納を買うのはやめて、古くなった収納の一部を外して、使わないタオルや不要な物を整理して水草かごを並べて解決した。
なんかいつものお風呂場も少し好きになった。
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