思い出帳
iPhoneのカメラロールを眺めるのが好きだ。
どこにも載せないのに消せない写真。
昔はそれが当たり前、というか自分の思い出を誰か(家族や友人)と共有することなんてなかったのに、今や「どこにも載せないし消そうかな。」という思考回路になっていることに驚く。
さまざまなことを他人と共有する。
今では当たり前だけど、私の世代にとってSNSは(当時)、身内だけが見るアルバムに近い感じだったと記憶している。
だから私は今でも本当の「日常」の写真を載せることはほぼというかない。
旅先では必ず撮る、たくさん撮る。
新しく好きなレンズをゲットしたことで、さらに撮ることが楽しくなり、今まで見逃していた一瞬を探すことが、旅の楽しみになった。
旅のあいだの気持ちを思い出すことは、相当強烈な出来事じゃないとむずかしく、かつその強烈な体験フォルダーを私は若い頃に使い切っているのもあり、「忘れられない旅」はもうできないかなと諦めている節もあるけど、自分の撮った写真や動画のフォルダを眺めていると、ちょっとした心の動きや暖かみやじんわりした喜びを感じることができる。
何十年経っても頭に浮かぶ光景はいくつかあるが、写真も動画も残っていない。
それでも忘れないのは、頭と心に強く強く刻まれているから。
そして何十年経っても、その頃の自分に会いたくて、(飛行機恐怖症ながら)また旅に出るんだと思う。
思い出したら過去の写真を載せていきたい。
6月末のバンコク郊外、高層階の部屋から。




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